「賢者のポートフォリオ」に登場する用語のうち、株式投資に関連する用語を解説します

わしが解説してやろう
知りたい用語をタップするがいい

ROE  安定株  ウォーレン・バフェット
売上高成長率  大型株  大型経済対策
株価形成  逆張り  クオリティ
経常増益率  小型株  時価総額
自己資本比率  循環株
純資産  成長株  先導株
総資産成長率  長期実績リターン
ディフェンシブ株  出遅れ株  投資指標
内需型  配当金  配当利回り
バリュエーション指標  ピーター・リンチ
PBR  必需型  フィリップ・フィッシャー
分散投資  ベータ(市場感応度)
ベンジャミン・グレアム  ポートフォリオ
ボラティリティ  優良株  輸出型
予想PER  リスク  リターン  割安株

ROE

「ROE」は、日本語では「自己資本利益率」とか「株主資本利益率」とか呼ばれ、企業が株主資本、すなわち「純資産」を使ってどれだけの利益を上げたかを表す指標じゃ

「ROE」が大きいということは、株主資本の増殖率が大きいということじゃ
株主にとっては喜ばしいことじゃな

一般に「ROE」が大きい企業の株式はビジネスモデルの強い「優良株」とされるな

経済環境が悪化に向かう時などは、その抵抗力が期待され、「ROE」の大きい企業が買われることがあるようじゃ
逆に経済環境が改善される時などは、利益の伸びしろが大きいとして「ROE」の小さな銘柄が物色されることもある

問題は株価じゃな
投資家が良いと思う銘柄は既に値上がりしている可能性がある
企業の利益よりも株価のほうが早く反応することを忘れるでないぞ

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安定株

自己資本比率が高い、利益や配当の安定性が高い、株価の値動きが小さいなど、安定株の定義は様々じゃな
これらの一つ一つの条件は突出していなくても、すべての項目が業種内の平均以上で総合点の高い株式が「安定株」ということじゃろう

既に成熟している産業の大型株、リスクは低いが成長性も低いといったイメージじゃな

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ウォーレン・バフェット

バフェットは、株式投資により一代で財産を築き上げた、かつては世界一、現在でも5指に入る大富豪じゃ

地元のネブラスカ州オマハを拠点として投資会社を経営し、世界中の投資家が「師」と仰ぐことから、「オマハの賢人」 と呼ばれておる

彼の投資哲学の根幹は、企業の本質的価値よりも安い価格で株式を買い、将来の値上がりを待つ「割安株(バリュー株)投資」の考え方じゃ

バフェットは若い頃に、ベンジャミン・グレアムに割安株投資を学び、フィリップ・フィッシャーに成長株投資を学んだのじゃ

多くの語録があるが、わしは「株式投資の極意とは、いい銘柄を見つけて、いいタイミングで買い、いい会社である限りそれを持ち続けること。これに尽きる」というのが好きじゃな

短期的な株価の変動には目をくれず、経営者を信用して見守るのが彼のやり方じゃ

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売上高成長率

「売上高成長率」は、企業の「売上高」が過去どの程度増えたかを表す指標じゃ「賢者のポートフォリオ」では過去2期の決算データから算出しておる

売上高はその企業が顧客から直接に対価として受け取った金額じゃから、そのビジネスの市場での強さが反映されているぞ

売上の増加が続き、損益分岐点を超えると、その企業の利益が一気に跳ね上がることもあるのじゃ

残念ながら過去の売上高成長率が高いからといって、株価が今後上がるかは分からん
過去の成長率は既に現在の株価に織り込まれているはずじゃからな

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大型株

株式を大型・小型と区分する時は「時価総額」が基準とされることが多いな

「時価総額」というのは「その会社が発行するすべての株式を買うとしたらいくらになるか?」を表す指標で、その会社全体の値段のようなものじゃ

証券取引所に上場され、取引の対象になる株式は、東京証券取引所だけでも3千銘柄を超えるが、「大型株」とされるのは、そのうちの500銘柄にも満たんな

「大型株」、すなわち時価総額が大きい会社は、事業規模が大きく、従業員数も多いのが通常で、長く業界をリードして来た企業が多いな
成熟したビジネスを抱えていることも多いので急激な成長は望みにくいが、その業界内で地位が高く、競争力が強いということも多い
そうしたことから大型株は株式市場全体や業界全体の動きと軌を一にした相場展開をする傾向にあるのじゃ             

「賢者のポートフォリオ」に出て来る銘柄が「大型株」か「小柄株」かを知りたかったら、「銘柄情報」の画面などで「時価総額」の順位図を見ると良いぞ
「時価総額」の順位で上位に位置するのが「大型株」じゃ

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大型経済対策 

 「賢者のポートフォリオ」では、事業規模10兆円以上の経済対策を「大型経済対策」ということにしておる

大型経済対策は不況時に講じられることが多く、すぐに効果が出る場合も、なかなか効果が出ない場合もあるな 

小泉政権以前の大型経済対策の柱は公共事業じゃ

建設業や資材メーカーには直接的な恩恵があるな 

公共工事の経済波及効果は90年代には大きかったが、近年は小さくなっていると言われておる   

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株価形成

企業の財務体質や業績に影響を与える要因はすべて株価形成要因となり得るが、実は株価形成要因はそれだけではないぞ

株価は、その株式を買う者と売る者の見通しや心理状態に影響を受けて常に揺れ動いておる
その銘柄と関係のない情報でも、それが買い手や売り手の心理に影響を与えれば株価は動いてしまうのじゃ
したがって株価は、その企業の業績に応じた本来の価値より高い割高状態になったり、本来の価値より低い割安状態になったりすることがあるのじゃ

これを見る指標が「PER」「PBR」「配当利回り」などの指標じゃ
「賢者のポートフォリオ」では、これらを「情報ボード」で見ることができるぞ

また、企業の業績の動向や財務体質の強さなどは、「時価総額」「自己資本比率」「ROE」「経常増益率」「売上高成長率」「総資産成長率」といった指標で見ることができるぞ

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逆張り

株価が上昇基調で推移してきた株式を売ったり、定価基調で推移してきた株式を買ったりする投資方法じゃ

「まだはもうなり、もうはまだなり」という相場格言にあるように、株式相場の天井や底を見分けるのは至難の業じゃな

一定期間の株価の推移で「勝ち組」となった株式は、「負け組」となった株式にその後は負けるという学術研究の結果もあるぞ

「空気を読んでいては、株式投資では勝てない」ということじゃ

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クオリティ

株式投資で「クオリティ」という時には、企業の業界内の地位、財務的健全性、利益や配当の安定性などを言うのじゃ

これらが高い企業の株式は一般に「優良株」と呼ばれておる    投資指標では「ROE」がクオリティの指標とされることが多いな

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経常増益率

企業の経常利益の過去の伸び率を表す指標じゃ
「賢者のポートフォリオ」では過去2期の決算データから算出しておる

経常増益率が高い企業は「成長株」じゃな

しかし過去の経常増益率は、既に現在の株価に織り込まれているので、これからの投資の指標としては頼りにならんかもしれんぞ

景気循環とは関係なく、市場の予想を裏切ってさらに成長を続けるような革新性のある真の「成長株」も混ざっておるはずじゃがな

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小型株

一般に「小型株」という場合は「時価総額」の小さな株式をいうことが多いな   

「大型株」に対して「小型株」は銘柄数が多く、上場されている株式のうちの8割以上は「小型株」と思って間違いないぞ

「小型株」というと新興企業を想像するかもしれんが、「小型株」の大半は結構長い歴史を持つ企業じゃ

「小型株」は特定の製品・商品・サービスに偏って利益を挙げていることが多く、業績の安定性は「大型株」には及ばんな

しかし利益が成長する伸びしろは「小型株」のほうが大きいので、景気が上向きの時などの株価の上昇率は「大型株」に勝ることが多いのじゃ

「賢者のポートフォリオ」に出て来る銘柄が「大型株」か「小柄株」かを知りたかったら、「銘柄情報」の画面などで「時価総額」の順位図を見ると良いぞ
「時価総額」の順位で中位から下位に位置するのが「小型株」じゃ

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時価総額

「時価総額」というのは「その会社が発行するすべての株式を買うとしたらいくらになるか?」を表す指標で、その会社全体の値段のようなものじゃ

「時価総額」が大きい会社は、事業規模が大きく、従業員数も多いのが通常で、長く業界をリードして来た企業が多いな

「時価総額」の大きな銘柄は、それが小さな銘柄に比べて、株式の値動きが小さめじゃ
相対的にリスクが小さいとも言えよう

「時価総額」の小さい銘柄、すなわち小型株の良さは、市況が良い時に大きな値上がりが期待できることじゃな
「時価総額」の小さな銘柄は独自の値動きをするものが多く、経済全体にショックがあった時には「時価総額」の大きな銘柄のほうが連動し易いようじゃ

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自己資本比率

企業の全財産(総資産)から負債を引いた「純資産」の総資産に対する割合のことじゃ

負債は金融機関など外部から借りた資金じゃから「他人資本」、これに対して「純資産」は「自己資本」と呼ばれるのじゃ

「他人資本」は優先的に返済しなければならんから、「自己資本」の比率が高いほど経営的な安定度は高いと解釈できるな

逆に、儲ける力の強い企業にとっては、「他人資本」を多くして事業規模を拡大したほうが大きな成長を望めることになるという考え方もある

経済が好況な時は「自己資本比率」の低い企業にとってチャンスというわけじゃ

問題は株価じゃな。投資家が良いと思う銘柄は既に値上がりしている可能性がある。企業の利益よりも株価のほうが早く早く反応することを忘れるでないぞ

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循環株

景気敏感業種にあって、同業内で独自の強みを持たず、同業他社と同じように景気動向の波と共に業績が変動する銘柄のことじゃ

景気は「好況」と「不況」を循環するので、それに先行して株価が上下することになるな
つまり「循環株」は、「割安株」に見えたり、「成長株」に見えたりするというわけじゃ

1年程度の短期では「循環株」の上げ下げを見定めた投資も可能じゃが、5年以上の長期投資では「循環株」はそれほど魅力的な銘柄ではないな

真の「割安株」、真の「成長株」を見極めることが肝心じゃ

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純資産

企業の資産の総額から負債の総額を引いた金額を純資産というのじゃ

負債は貸主に返済しなければならないものだから、総資産から負債を控除した純資産が株主の持ち分になるのじゃ

投資の世界では純資産の総額をその企業が発行している株式数で割った「1株当たりの純資産」が重要な概念になるぞ

その額が株価よりも高ければ、「1株当たり純資産」よりも安い価格で株主に成れるので「株価は割安」と考えることができるのじゃ

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成長株

成長株とは、高い成長率で利益が増え続けることが見込める株式のことで、グロース株とも言われるな

「成長株投資」は、1958年にフィリップ・フィッシャーがその著書で提唱し、現在もなお信奉者が多い投資手法じゃ

フィッシャーは「成長株」の要件を「15の質問」として挙げておる
その最初に挙げたのが「その企業は、少なくとも数年は収益が増え続けることを可能にする、十分な市場可能性のある製品やサービスをもっているか?」という要件じゃ

ITバブルの時代は、新興のIT関連企業が典型的な「成長株」とされたな

社会情勢の変化を先導する企業、最先端で市場性の高い技術を持つ企業、ニッチな市場で高い成長を続ける小型企業などが多いな

こうした企業の株式は、「割安株」の指標から見ると「割高」に見えるのが特徴じゃ

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先導株

「成長株」の多い業種の中で、その業種の相場動向をリードするタイプの株式を「先導株」と呼ぶ 
「成長株の中の優良株」という位置づけじゃな

経営がしっかりしていて、業界内の競争力が高い銘柄で、上昇相場で最も早く買われて先を行くから「割高」に見えやすいという特徴も持っておる

しかし「先導株」は上昇相場では強みを見せることも多いのじゃ

「経常増益率」などの成長指標が高いことはもちろんじゃが、ビジネスの強さをしめす「ROE」にも注目じゃぞ

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総資産成長率

企業の総資産が長期的にどの程度成長しているかを示す指標じゃ
「賢者のポートフォリオ」では過去5年の成長率を指標にしておる

総資産成長率は、その会社の会計帳簿上の資産の合計額(総資産)の伸び率を表す指標じゃ
総資産は、その会社が借入金を増やしたり、増資をしたり、利益の社内留保を増やしたりすると増加するのじゃ

会社は、新たに大きな投資をする際に借入金や増資で賄うことが多いので、総資産の増額は、その会社が投資を積極的に行っているかを見る指標となるぞ

日本の大企業の中には社内留保が多く、それを積極的に新事業に投資するのではなく、自社株買いに利用して資本を減らすという動きをする企業もあるな

有望な投資案件がない会社にとっては、資本が効率化され、ROEが上昇するので、株主から評価されることもあるぞ

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長期実績リターン

「賢者のポートフォリオ」では、過去5年の実績リターンを「長期実績リターン」という指標にしておる

これは、行動経済学でノーベル経済学賞を受賞したセイラーという学者の研究成果を参考にしたものじゃ
過去のパフォーマンスで勝ち組の株式は上げ過ぎが原因でその後は負け組に転じ、逆に負け組は勝ち組に転じる傾向があるというのじゃ

日本でも古くから「提灯をつける」という格言があるな。訳も分らず値上がりに追従したり、上昇相場で過度に強きになった投資家が株価を本来の価値以上に釣り上げてしまうのじゃな

ただし、短期的にはその勢いが続く場合もあるぞ。長期の投資に有効な指標と考えるのが無難かもしれん

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ディフェンシブ株

「ディフェンシブ」は「ディフェンス=防御」の形容詞型の用語じゃ
すなわち「ディフェンシブ株」とは「防御的な株式」ということじゃな

「何に防御的か?」と言えば決まっておろう。経済環境の悪化に伴う利益の減少や株価の下落に防御的ということじゃ

一見良さそうじゃが、「防御的」ということは、経済環境が改善した時に利益や株価があまり上がらないということでもあるな

生活必需品である「食品」や「医薬品」、社会インフラである「電力・ガス」などの業種の銘柄が代表的じゃ

個別銘柄の投資指標としては「ボラティリティ」や「ベータ(市場感応度)」の順位が低いという特性も見られるな

「ディフェンシブ株」はポートフォリオのリスク水準を抑制するのに有効な株式じゃ

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出遅れ株

出遅れ株は上昇相場の過程で全般の上昇トレンドに乗り遅れた株のことじゃ

「PER」、「PBR」、「配当利回り」などを他の上昇銘柄と比べると、一見「割安株」に見えることが多いな

しかし「出遅れ株」には、目敏い投資家が最初に手に付けなかったなりの理由があるはずじゃ
それは多くの場合「利益の成長性が見劣りする」ことじゃな
一見割安でも、実はその株価は間違っておらんのじゃ

「出遅れ株」を見分けるには、「経常増益率」などの「業種内の順位」が参考になるぞ

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投資指標

文字通り「投資の指標」となる情報のことじゃ

株式投資には「チャート分析」または「テクニカル分析」と呼ばれる手法と、「ファンダメンタル分析」と呼ばれる手法があり、それぞれに異なる投資指標が使われるな

「チャート分析」には賛否両論がある
全面的に信頼する者もいれば、「ファンダメンタル分析」の補助的な使い方しか認めん者もおる

「賢者のポートフォリオ」は「チャート分析」は採用しておらんが、現代投資理論に基づく「テクニカル指標」は採用しておる
「現代投資理論」という言葉は説明が長くなるから、無視してもいいぞ

「賢者のポートフォリオ」で見られる投資指標は12種類じゃ
その一部は「銘柄情報」画面で、12指標全部は「情報ボード」で見ることができるぞ
12指標のうちの9種が「ファンダメンタル分析」の指標、3種が現代投資理論に基づく指標じゃ

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内需型

主に国内向けに製品、商品、サービスを提供する業種・企業を「内需型」の業種・企業というのじゃ
提供する原材料や製品、サービスなどは、国内で産出するだけでなく、他国から輸入する業種・企業も多いぞ

わが国では、「食品」、「建設」、「運輸・物流」、「小売」などの業種・企業じゃな 
こうした業種・企業は為替の変化によって業績が振れる度合いが少ないので、円高時には「輸出型」の業種・企業に比べて優位となることが多いぞ

輸入品を国内で提供している業種・企業は円高に特に強いのじゃ
円高になると輸入品を扱う「小売」は儲かるから、「円高還元セール」を行うところも出てきて、消費者にとってはうれしいな

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配当金 

配当とは企業が稼いだ利益の一部を株主に分配することをいい、その際に株主が受け取る金銭を配当金というぞ

株主としてそれを永遠に保有し続ける投資家には、現実の金銭収入は配当金だけとなるから、企業がどれだけの配当金を分配するかは重要な問題じゃ

一方で、企業が配当金の支払いを少なくして、その分を事業に回せば、将来の利益が拡大し、株価が上がるかもしれんな
売り時を見ている投資家には、そのほうが望ましいかもしれん

しかし、もし企業が配当金を下げると、投資家はその企業が将来の利益に悲観的な見通しを持っていると捉え、株価にマイナスの影響が出るかもしれん

このように、企業の配当政策と投資家の評価や株価とには複雑な関係が存在しており、単純にはいかんぞ

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配当利回り

配当利回りは、過去1年間の1株当たりの実績配当金を現在の株価で割って算出するのが一般的じゃな

配当金を減らす「減配」は経営者がその企業の将来の利益見通しに弱気なっていると取られるので、企業は「減配」には慎重じゃ

そのため株式市場全体が値下りするような時には、「配当利回り」が4%や5%といった高利回りになるような銘柄も出て来る
一見良さそうじゃが、株価には値下りの可能性があるのを忘れるでないぞ

「配当利回り」は他の銘柄と相対的に比較する際には、株価の「割安」、「割高」を見分ける指標の一つとなり得るな
特に、長期の投資に有効な指標とされておる

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バリュエーション指標

企業の利益、配当金、純資産などを「1株当たり」に換算し、株価との比率を取った指標を「バリュエーション指標」というのじゃ

主に他の銘柄との比較に使われ、株価の比率の高いほうの銘柄を「割高」、低いほうの銘柄を「割安」と見るわけじゃ

企業のどの指標と株価との比率を見るかで、当然に「割高」か「割安」かに違いが出てくるから、どの指標も万能とは決して言えんぞ

「株価は過剰反応する」傾向にあり、適正な株価よりも高くなったり、低くなったりし、それが後に是正されるという学説があるのじゃ

この学説が通用する状況では、「割安」銘柄はその是正の段階で他の銘柄よりも値上がりが大きくなるということになるな

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ピーター・リンチ

昔の話じゃが、1977年当時2千万ドルだったマゼランファンドを14年間で140億ドルにまで成長させ、「投資の神様」と呼ばれた男じゃ

しかも、ピーター・リンチの投資哲学は、当時の他のファンドマネージャ達の逆を行くものだったのじゃ

彼の投資語録からいくつかピックアップしてみよう意外じゃぞ

  • 専門家集団を無視することで、市場を打ち負かすことができる
  • 株を買うのは子どもを養うことと同じ世話を見ることのできる範囲で持つべきだ職業としない限りは5銘柄を超えて保有してはいけない
  • 人気業界の人気企業は避けたほうがいい冷え切った成長性の乏しい業界でうまくやっている企業への投資は往々にうまくいく
  • 株価の下落は頻繁に起こるものである慌てふためいて逃げ出した投資家が残していった割安株を拾う絶好のチャンスである

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PBR

「PBR」は、企業の「時価総額」を会計上の「純資産」で割った指標じゃ
分母と分子を発行済株式数で割って、「株価を1株当り純資産で割った指標」と捉えてもよいな

「PBR」が1より大きいということは、株価が株主の持ち分価値よりも高い状態、すなわち株価が何かしらのプレミアムを持っている状態じゃな

逆に言えば、「PBR」が小さいということは、株価が割安になっている状態と考えられるな

中小型であるため投資家の関心からはずれている、大型株であっても事業の潜在的な価値が見逃されている、悲観的に評価され過ぎているなどで、株価が割安になって放置されている銘柄が存在する
そうした背景で「PBR」が低くなっている銘柄は何らかのきっかけ(カタリスト)によって株価が上昇する可能姓を秘めておる

経済が通常の状態で循環する時には「PBR」は有効な指標とされるが、産業構造に変化を促すような大きな経済変動が起きたような場合は当てにならないようじゃな

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必需型

日々の国民生活に必要不可欠な商品やサービスを提供する業種・企業を「必需型」の業種・企業というのじゃ

「食品」、「エネルギー・資源」、「医薬品」、「電力・ガス」などの業種・企業がこれに相当するな

常に一定の需要が見込める「必需型」の業種・株式は、経済や市場の大きなショックに強い「ディフェンシブ株」とされるな

こうした業種や銘柄は「ボラティリティ」や「ベータ(市場感応度)」が小さいという特徴も持っておる

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フィリップ・フィッシャー

「良い投資をすれば誰でも億万長者になれる」との言葉を残したフィリップ・フィッシャーは「成長株投資の父」と言われておる

「株式投資で普通でない利益を得る」という著書で15の確認事項を挙げておるので、その一部を紹介しよう

  • 製品やサービスに十分な市場があり、売上の大きな伸びが数年以上にわたって期待できるか?
  • 経営陣は、現在の製品ラインの成長が衰えても、引き続き製品開発などを行って売上を増やしていく決意を持っているか?
  • 高い利益率を得ているか?その利益率を維持し、向上させるために何をしているか?
  • 同業他社よりも優れている業界特有の要素はあるか?

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分散投資

世の中にリスクを取らずに得られるリターンは存在しない
現実を無視してリスクを見ないようにするのではなく、リスクと向き合い、賢く付き合うことが大切じゃ
その「リスクと賢く付き合う」方法の一つが「分散投資」じゃ

リスクは、それが発現した際のダメージを1か所に集中させず、複数個所に散らすのが基本じゃ

株式投資では、複数の業種に分散して投資する、輸出企業と輸入企業に分散して投資するなど、特定の業種や株式にダメージを与えるような経済環境に対して、その影響を分散するポートフォリオを作るようにすると良いぞ

「賢者のポートフォリオ」は、どの銘柄がベストかではなく、どのポートフォリオがベターかを考えるアプリじゃ

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ベータ(市場感応度)

株式市場は個別銘柄の集合体じゃが、その全体平均の動きと一つ一つの銘柄の動きとは必ずしも一致せん

個別株式の中には、全体平均と同じように上げ下げする銘柄もあれば、まったく関係ないように動く銘柄もある
前者は「市場感応度が高い」、後者は「市場感応度が低い」という言い方ができよう

ノーベル経済学賞を受賞した理論の中でこの市場感応度がβと表されていたことから、業界ではこれを「ベータ」と呼ぶのが慣習となっておる

ベータの大きな銘柄は株式市場全体の動きに連動する部分が大きく、相場が上がれば上がり、下がれば下がるという傾向が見られるな
逆にベータの小さい銘柄には、相場の上げ下げにそれほど連動しない傾向が見られるのじゃ

賢者のポートフォリオ」では、相場が上がるステージではベータの高い銘柄を選び、下がるステージではベータの低い銘柄を選ぶという戦略が成り立つかもしれんな
残念ながら現実の投資では、相場の上げ下げを当てることはプロでも困難なのじゃが・・・

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ベンジャミン・グレアム

グレアムは「証券分析の父」、「割安株投資の父」とも呼ばれ、1949年に出版された彼の著書「賢明なる投資家」は歴史的な名著とされておる

彼の投資哲学の基本は「大幅に割安な水準」にある株式に投資することじゃ

その水準を彼は「PER」と「PBR」で見ることにしておる

過去10年赤字決算がなく、財務状態が十分に良い銘柄でないと投資しないということも彼の投資哲学の一つじゃ

彼の投資哲学は「如何に損しない投資をするかを徹底して追求すること」と要約できょう

「割安株投資」は、現在も世界中でプロの投資家によって実践されておる

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ポートフォリオ

ここで云う「ポートフォリオ」とは、株式や金融商品の組み合わせのことを言うのじゃ 

もともとの語源は、紙ばさみや書類入れという意味で、欧米では紙ばさみに資産の明細書を保管していたことが言葉の由来となっておる

「ポートフォリオを組む」ということは、どのような形で複数種類の金融商品を購入しようか、株はどの銘柄を何株ほど持ち、全部で何銘柄保有しようか、などの検討をするという意味じゃ

ポートフォリオ作りはスポーツのチーム作りのようなものじゃな
攻撃に強い選手と守備に強い選手を組み合わせるように、それぞれの金融商品の特徴をうまく組み合わせるのがコツじゃ

「賢者のポートフォリオ」は、5銘柄の株式でポートフォリオを作るアプリじゃ
どのような経済環境にも適応して、安定してほど良いリターンを挙げてくれるポートフォリオ作りを会得するのじゃ

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ボラティリティ

「ボラティリティ」は株価の値動きの大きさを示す言葉じゃな
「賢者のポートフォリオ」では、過去5年のデータから各銘柄の「ボラティリティ」を計算しておる

投資の世界では「ハイリスク、ハイリターン」「ローリスク、ローリターン」が鉄則じゃが、ここに一つパラドックスと呼ばれている現象がある
「ボラティリティ」の低い銘柄は「ローリスク」のはずなのに、それが高い銘柄よりリターンが高い現象がしばしば見られるのじゃ
この現象は日本だけでなく世界中の株式市場で見られておる

多くの人は、そのような価格変動のブレの大きい銘柄には投資しないじゃろ
一般にリスクが高いと判断されるからじゃな
不思議な現象じゃが、これを利用しない手はないぞ
リスクのペナルティを避け、高いリターンを狙うに一石二鳥の指標じゃからな

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優良株

株式投資の用語としての「クオリティ」の高い株式のことじゃ

「クオリティ」が高いとは、業界内の地位、財務的健全性、利益や配当の安定性などが総合して高いことをいうのじゃな

投資指標では「ROE」がクオリティの指標とされることが多いな

「優良株」の反対は、「不良株」とは言わず、「低クオリティ株」というようじゃ

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輸出型

製品や部品またはサービスなどを、他国に輸出することを事業を中心とする業種・企業を「輸出型」の業種・企業というのじゃ

わが国では、「輸送用機器」、「機械」、「電気機器」、「精密機器」などの業種に属している企業の輸出比率が高いな

輸出は米国ドルを介して行われることが多く、円換算の売上は、円安になると増え、円高になると減るのじゃ
もう分かったじゃろう。輸出型企業の株価は円安になると上がりやすく、円高になると下がりやすくなるという訳じゃ

直接輸出している大企業はもちろんじゃが、部品生産などで間接的に関わっている中小企業にも影響が及ぶことがあるぞ

株式投資の世界では、「輸出型」に対しては、「輸入型」ではなく、「内需型」という用語がよく使われるな

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予想PER

「PER」は株価を1株当りの利益で割った指標じゃ
「予想PER」という場合は、現在の株価を今期または来期の予想利益で割ったものをいうことが多いな

市場全体の「PER」は常に変動しているし、業種によって「PER」の水準も異なる

とは言え、「予想PER」が他の銘柄より大きければ利益の水準に対して株価が高いので割高、小さければ割安という捉え方には一理ある

株価がその銘柄の予想利益を正しく評価できているとは限らんからな
そうした銘柄には、市場が評価の間違いに気付くに従って株価が調整されて行くことが期待されるな

しかし、株価が正しいケースも考えられるぞ将来的な利益の減少や損失を見越して株価が低くなっている状態だったら、PERで割安と判断するのは間違いということになる

「成長株」には予想PERが高い傾向が見られるが、これは株価が目先の利益を超えたさらに先の利益を評価していると考えられておる

一見割高に見える銘柄には将来の成長性が潜んでいることもあるのじゃ奥が深いのう

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リスク

「リスク」という言葉を聞くと、通常「危険」という意味にとる者が多いな

しかし、投資や資産運用では「リスク=投資の失敗」ではなく、結果としてのリターンが期待通りにならない可能性や確率のことを言うのじゃよ

例えば、リターンが「5%」か「-5%」になる確率が半々の株式と、「10%」か「-10%」になる確率が半々の株式とでは、後者のほうがリスクが大きいと捉えるわけじゃ

「賢者のポートフォリオ」では、「黒の館」以降の各プレイで選ばれた5銘柄のポートフォリオについて、そのリスクを都度計算し、「結果の宣言」画面で表示するようにしておる

「黒の館」以降では、リスクの数値が大きいポートフォリオにはペナルティが発生し、獲得ポイントが減点されるので、注意するのじゃぞ

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リターン

「リターン」とは一定期間の投資の収益率のことじゃ

株式の場合、その保有期間中に得た配当金と株価の値上がりが「リターン」を構成することになるな
期首の株価を基準にした「配当利回り」と「値上り率」の和が「リターン」というわけじゃ

「リターン」を計算する場合の期間は一日であったり、一月であったり、一年であったりと、その利用目的によって様々じゃ

「賢者のポートフォリオ」では、各銘柄の過去の実績リターンを「月次」ベースにデータ化して利用しておる

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割安株

割安株とは、その会社の本来の価値が株価に反映されておらず、株価が低い状態の株式のことじゃ 

このような株式を「バリュー株」、そうした株式に特化して投資する手法を「バリュー株投資」と呼ぶことも多いぞ

1900年代前半にベンジャミン・グレアムが提唱したのが初めとされており、今日もなお多くの投資家や運用会社が信奉している投資手法じゃ

実は会社の本来の価値を判定するのは非常に難しく、基準となる指標と株価との関係を他の会社と比較する手法が一般的となっておる

基準となる指標とは、会社の1株当たり純利益、1株当たり自己資本額、1株当たり配当金などじゃ

これらと株価との比をとった「PER」、「PBR」、「配当利回り」などを他社と比較して、割安かどうかを判定するのじゃ

「割安株」投資は経済が通常の循環をしている時に有効とされておるが、大きな経済ショックがあったような場合には、その株価が倒産を意識していると解釈され、「割安株」はむしろ嫌われるということもあるようじゃ

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