2. 不思議な招待②
と、そこにリムジンが音もなく近づいてきた。執事然とした紳士が車から降り、私に近寄ってくる。しかも「主人から【賢者の館】への招待状を手渡すように命じられてきた」と、身に覚えのないことを言う。「人違いだろう」と断ろうとしたが、何故か私の名前まで知っているではないか。不審には思ったものの、紳士の言葉を信用し、招待に応じてみることにした。
リムジンで連れて行かれたのは、金融街の近くの森の前。紳士に促されて足を踏み入れると、急に視界が開け、私は、鬱蒼とした森の中に広い敷地を持つ館の前に立っていた。
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