人類最大の発明? 格差社会の元凶? そもそも日本では「複利」を理解していない人が多い!

事実か否かは知りませんが、アインシュタインが「複利」を「人類最大の発明」と呼んだというのは有名な話です。
資本主義社会の成長を見たアインシュタインが、その中核である金融の本質を表現したというまことしやかな説もあります。

一方で「複利」を「格差社会の元凶」と呼ぶ人たちもいるようです。
利子を生む資産を持つ富裕層が「複利」を利用して資産を増やし、貧困層との経済格差が広がることを指摘しての表現だと思います。

そんな「複利」ですが、これを理解していない人が結構多いという残念な調査結果があります。
金融広報中央委員会が2016年に全国2万5千人規模で実施した「金融リテラシー調査」の結果です。

年率2%の利率で100万円を預金口座に5年預けた時、その残高はいくらになっているでしょうか?
1.110万円より多い
2.ちょうど110万円
3.110万円より少ない
4.わからない

この問題に対して正解の1を選んだ人は43%でした。
ちなみに2012年に米国で行われた調査での同一の問題に対する正解率は75%となっています。

老後などのために資産形成を図りたい人は、まず「複利」を理解しましょう。

これも金融の世界では有名ですが、「72の法則」というものがあります。
「年利率○%で増やした時、当初資産が2倍になる年数は?」という問いに対して、72を○で割った数字が答えになるというものです。

例えば、年利率4%で増やすとすると、72割る4は18ですから、答えは18年になります。
また、年利率9%だと、72割る9の8年という答えになります。

この魔法の数字は理論的には69.3147という数字なのですが、約数が多い72が代わりに使われています。
5%や7%を考える時は70を使ったほうが正解に近いわけです。
年率5%だと、70割る5の14年が答えになります。

ところで、2倍というのは、当初100であった資産が同額の100増えるということですよね?
毎年5%の「単利」で増えるとすると、100増えるには20年かかる計算です。

この場合の「複利」と「単利」の違いは6年、すなわち「年率5%で増える時、単利では20年かかるところ、複利では14年で2倍になる」ということになります。
複利の力はすごいですね!

「複利」の力の源泉は「時間」と「利率」です。
その力は、投資期間が長くなればなるほど、利率が高ければ高いほど、増幅の幅が大きくなります。

早いうちから投資を始める。
自分が許容できるリスクの範囲でなるべく大きな期待リターンの投資を行う。
この2つが「複利」の力を最大限に生かした投資方法となります。

(2020年3月11日 才出やすか)

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