新型コロナウイルスで動揺著しい株式市場、でも積立投資にとっては千載一遇の好機!?
2020年3月、新型コロナウイルスの流行が世界経済を震撼させ、各国で株価が大幅に値下がりしています。
昨年盛り上がった「老後資金2000万円問題」はどこへやら、「やっぱり投資は怖い!」と感じている方が多いのではないでしょうか?
ところが、積立投資をしている方にとっては、この相場環境はむしろ好ましいのです。
その理屈は意外に簡単です。
WHOが新型コロナウイルスの流行に「パンデミック宣言」を出して以来、世界の株式市場に一層の動揺が広がっています。
既に株式を多く保有されている方が、今回の大幅な下落でその保有額を大きく目減りさせたことは確かです。
しかし、こんな時こそ冷静な判断が求められます。
わが国を含め、各国の政府は決して無策ではありません。
様々な景気対策が打ち出されようとしています。
意外に思われるかもしれませんが、長期的な資産形成を考えて積立投資を続けている方にとっては、今回のような環境は決してマイナスではありません。
むしろプラスと考えるべきです。
簡単な数値例で説明します。
ある株式に毎年の初めに3万円ずつ積立投資をするとしましょう。
1年目初めの株価は100円であったとします。
(ケース1)
1年目初めから4年目末まで、株価はずっと100円でした。
毎年初めに300株ずつ買って積み立てたので、4年目末の保有株数は1,200株です。
4年目末の株価は100円なので、保有額は12万円になりました。
(ケース2)
1年目初めの株価は100円でしたが、大幅に下落して2年目初めは75円になりました。
株価は3年目初め、4年目初めはずっと75円で推移し、4年目末にようやく100円に戻りました。
毎年の積立額は3万円、株価は75円でしたので、2年目初め、3年目初め、4年目初めに400株ずつ購入し、4年目末の保有株数は1,500株になりました。
4年目末の株価は100円に戻ったので、保有額は15万円になりました。
(ケース3)
1年目初めの株価は100円でしたが、ケース2より更に大幅に下落して2年目初めは50円になりました。
3年目初めも50円のままでしたが、4年目初めに75円、4年目末に100円に戻りました。
2年目初めと3年目初めの購入株数は、株価が50円でしたので600株ずつでした。
4年目初めは株価75円で、400株購入し、合計の保有株数は1,900株になりました。
4年目の株価は100円に戻ったので、保有額は19万円になりました。
いかがでしょうか?
株価が下がらなかったケース1では12万円、25%下がって戻ったケース2では15万円、50%下がって戻ったケース3では19万円が、4年目末の保有額となっています。
株価が大きく下がっても、やがて戻るなら、それは積立投資にとっては好ましい状況ということです。
もう一つ例を挙げましょう。
(ケース4)
1年目初めの株価は100円でしたが、ケース3と同様に、大幅に下落して2年目初めは50円になりました。
3年目初めも50円のままでしたが、4年目初めに75円に戻りました。
ところが、ケース3と異なり、4年目末は100円まで戻らず、75円のままでした。
ケース3と同様に、4年目末の合計の保有株数は1,900株でしたが、4年目末の株価は75円でしたので、保有額は14万2,500円になりました。
これをケース1と比べてみましょう。
ケース1では株価は100円のまま下がらず、4年目末の保有額は12万円。
ケース4では、株価は50円まで下がって75円までしか回復しませんでしたが、4年目末の保有額は14万2,500円になりました。
だまされているように感じるかもしれませんね。
でも理屈は簡単です。
ほかの商品と同じで、株式も、購入する時には安く買える状況が好ましいのです。
積立投資は、毎回同額で購入するのが一般的ですから、価格が安い時には、高い時より多くの数量の投資ができます。
長期的に堅実な資産形成を志す方にとって、一定期間の株価の値下がりは決して怖いものではありません。
何年も使わないでおける余裕資金がある方は、「絶好の買い場が来たから、積立額を増やそうか?」くらいの気持ちで臨んでもいいかもしれませんよ。
(2020年3月14日 才出やすか)